2013年10月01日

「メルティソープ開発ストーリー」

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おろしたての石けんを手に取って、初めて泡立てるときのツルツルした滑らかな感触と弾けだすような泡。
髪の毛もすんなりと優しい泡で包み込み、しっとりと仕上げてくれます。

でも、保湿成分を多く含む軟らかな石けんは、小さくなるにつれ、空気中の湿気や水道水中のマグネシウムやカルシウムを吸収してジェル状になり、泡立ちが弱くなってきます。

そうなると髪の毛を洗うのになかなか苦労します。洗浄力の弱い石けんはうまく泡立たないと髪の毛がべたっと仕上がってしまうからです。石けんを使い慣れている方は、新しい石けんにペタっとくっつけたりして上手に使っていると思いますが。

泡立ちは、使い始めから最後まで変わらないほうが便利だろうということや「固形石けんを髪で泡立てるのが難しい」という声も聞いていました。

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そこで液体かクリームの石けんを作ってみよう、と思い始めたのは5年くらい前のことです。

ふつう液体の石けんは、アルカリ剤に水酸化カリウムと油脂を反応させて石けんにします。水酸化カリウムは、水和性が高いので水に溶けやすいのです。しかし、この液体石けんは、固形石けんに比べ、脱脂力が強く、髪が乾燥してしまうようです。

固形石けんは水酸化ナトリウムを使って作ります。そこで水酸化ナトリウムを使って液体またはクリーム状の石けんが作れないかを試しはじめました。

麻種子油100%で石けんを作ると、ぐにょっと軟らかな石けんができます。 融点が低く、乾性オイルと言われるさらっとしたオイルだからです。ただ麻種子油は非常に酸化しやすく配合率を極力抑えなければいけません。

パーム油やカカオバターなど融点が高く、常温で固形の油脂を使わずに、オリーブオイルや米ぬかオイルなどで水を通常より多く入れてクリーム状の石けんを作ってみました。
ところがうまく泡立ちませんでした。そこでココナッツオイルを配合してみたら泡立ちが改善されました。このオイルは、20℃以下で凝固してしまう心配がありましたが。
セサミオイルやマカダミアナッツオイルなども加えて試してみました。

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作ったときは、まるでホイップクリームのような艶と滑らかさのあるクリーム石けんになるのですが、日本の気温は一年を通して約0℃〜35℃と非常に温度変化が激しく、クリーム状だったものも季節が変わると分離してしまうのです。

コールドプロセスでは、火を使わずに、石けんを30日間寝かせてる間にゆっくりと、反応を進ませます。クリーム状になった石けんを何日かごとにかき混ぜたりもしてみたのですが、どうしても安定したクリーム石けんにはならず、成功したと思っても季節が変わると分離してしまいます。

ふだんは石けんを木べらを使って、手で泡立てていますが、今回ばかりはパン屋さんで使うミキサーも買ってみました。しかしこれはお蔵入りしてしまいました。

余談ですが、MOONSOAPの倉庫には、使っていないミンサー(ソーセージ作り機)やキャベツの千切り器、和菓子の型など、化粧品とは関係ないものがいろいろあります。合羽橋には本当にお世話になっています。

やっぱり、水酸化ナトリウムでクリーム状や液体状にするのは無理か、と諦めかけたころ、固形石けんを水に溶かしてみることを思いつきました。すると植物オイルの配合によっては季節を越えても安定してクリーム状を保ち続けたものがあったのです。これに気が付いたときは大感激でした。

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いよいよ「溶けやすく、酸化しにくく、泡立ちがよい」をテーマに植物オイルを選ぶ作業にとりかかりました。

最終的には3種類のオイルを使うことに決めました。元気な起泡力を持つココナッツオイル、滑らかなキューティクルを作るマカダミアナッツオイル、しっとりとした髪質を作るキャスターオイルです。

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この配合で石けんを仕込んで、30日間熟成させたあと、細かくフレーク状にします。
次にローズマリーやゼラニウム、ラベンダーなどの精油を加えてかき混ぜていきます。
そのフレーク状の石けんに一定量の水を加えると、シャンプーするのにちょうどよい泡立ちと潤いを持つ液体の石けんができたのです。

この作り方にはさらに利点がありました。通常の石けん作りでは、精油は、型入れ直前に入れるので、高いアルカリ下にさらされてしまいます。でもメルティソープの場合は、石けんの反応プロセスが終わり、弱アルカリ性の状態で精油を混ぜていきます。だからデリケートで貴重な精油が傷む心配がありません。また、すぐにボトル詰めしてしまうので揮発していくことも防げます。大切な精油の使い方として適していると思います。

精油一滴は、何十枚もの花びらや何個もの果実から抽出されます。
固形石けんには約2%(2g)くらいの天然の精油を使います。一滴は約0.03gなので約66滴分の精油が入っていることになります。66滴といえばお部屋をアロマで香らせたことのある方ならばわかると思いますが、とても多い量です。ああ、なんて贅沢な量でしょうか。
精油は、石けんの中からどんどん揮発していっています。だから、なるべくフレッシュなうちに使ってほしいと思っています。

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一回に仕込む石けんの数は、だいたい5000個になりますが、それに使う精油の量といったら、もう頭がくらくらするくらいです。だから植物と土に必ずお返ししなければいけないと思っています。でもどんなに贅沢に感じても、地球の生態系の中で循環しているものならば、極端に使い過ぎなければ、また育てることができます。みなが地球からの恩恵を感じつつ、やがて地球に返すという気持ちでいればよいと思うのです。

メルティソープの使い方はとても簡単です。ボトルの肩まで水を入れるだけ。
30分くらいたつと液体石けんになっています。

なぜメルティ(溶けかかった)という名前にしたかというと、ココナッツオイルの特性で冬のさむーい時期には白く固まる場合もあります。そんなときは少しお風呂が温まってきてから振ると液状になります。

使い方は、ほかの石けんと同じです。頭皮を中心に優しくマッサージするように泡立てて洗い上げます。仕上げは必要に応じて、パウダーリンスやクロミツヘアパックを使います。
また顔やボディにもお使いいただけます。

石けんの泡立ちや特性としては、WSピーピーやYSピッタなどのココナッツソープに近いと思います。どうしても髪のしっとり感が足りないと感じる方は、保湿力の高い植物オイルで作ったヘンプソープやWSマライカ、WSパレンケなどを使われると良いでしょう。
顔やボディに使う場合も同じですので参考にしていただければと思います。


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2013年03月22日

スパチュラスプーン

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パウダーリンスの中に入れて使える便利なスプーンの素材はサウォという木です。

パウダーリンスちょうど1杯がリンスボトル250mlに溶かす量。髪の毛にまんべん
なく行き渡らせてざっと流すか、5杯入れて濃いリンス液を作り置きし、
洗面器などに適量入れて髪の毛全体にかけてつかいます。

サウォの木は、インドネシアの果物の木で、
柿に似た味で人々にはその果実がよく食べられています。

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木自体はそれほど大きく成長しないため、
大きな商品、家具や、建築資材には不向きですが、
一本の木から多くの木が入手可能なのでお皿やカトラリーが作られます。

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木目が明るく大変美しく、ベージュから赤、少し茶味がかったものなどさまざまな色があります。

固さは類を見ないほどで、加工も困難を極めますが耐久性も強くじょうぶな素材です。

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2012年12月12日

ほっとする月のソープディッシュ

松とくるみを材料に、お風呂に入ってほっとしている月をモチーフにデザインされたソープディッシュは、
ラオス松を使って作られます。ラオス南部カムワン県には、動物たちと質素で豊かな暮らしを営む
人々がいます。

ここにソープディッシュを作っている工房があり、ラオス南部の山で使われずに放置されているものを譲り受け、環境に配慮したものづくりを心がけています。他にもテーブルの天板や食器なども作っていて、
100人を越える作り手が朝から晩まで、こつこつと製作しています。

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最初は、ノミやカンナなど一度も触れたことのない人たちばかりですが、老若男女の人々が集うこの工房では互いに教え合いながらというスタンスから、数年がかりで少しずつ、技術をあげていきます。

切り出しから研磨まで、全工程を手仕事で行なう丁寧なものづくりから、一人ひとりの個性が感じられます。作り手にとってどんどんと腕を磨いていく事は生きがいとなり、そして大切なお仕事としてこのうつわたちを作り続けています。こうして、作り手にとって安定した収入が、よりよい暮らしへと繋がっていきます。

夕方17:00~掃除が終わるとほとんどの人は家路につきます。それから、各班のリーダーが検品には入ります。手で触りながら均等な厚みに彫れているか、光にかざして透けているところは無いかなどと入念に感触で確かめます。また大きさは大体同じくらいか、傷がないか、木目の走り具合など、十分にチェックをしてからようやく出荷となります。

こうして何人もの人の手を渡り、日本にやってきました。クルミの樹脂で塗り上げたディッシュは、使い込む度に油が吸収し、木目には色の深みが増していきます。ちょこんとのった石けんの溶け出た部分で
時々優しく洗ってあげてください。強い防水加工をしていないにも関わらずとても長持ちします。

木材なので、小さいお子様のいる家庭のバスルームにもおすすめです。

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